質問コーナー


質問コーナーでは、植物科学に関するご質問に、サイエンスアドバイザーや専門の先生方がお答えします。サイエンスアドバイザーから回答を依頼された先生は、ご協力よろしく御願いします。

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最新の質問と回答

質問:お米の品質 登録番号: 1645
2008-06-08
お米の食味試験をするとおもにアミロースとアミロペクチンの量、たんぱく質の量で判定されます。光合成量とはアミロース、アミロペクチン、たんぱく質量は関係がありますか?またアミロースが多くたんぱく質の量が低いという場合もあるのですか?教えてください。
高校生
おたね
回答:
おたね さん

ご質問をありがとうございます。
高校の「生物」でカルビン-ベンソン回路について学びましたか。光合成では、葉緑体で機能するカルビン-ベンソン回路で最初の光合成産物がつくられます。しかし、光合成産物はやがて他の組織に輸送され、種子(胚や胚乳)・茎・根などに最終産物(貯蔵物質)として蓄積されます。光合成の最終産物は、例えばイネの場合、種子(コメ)の胚乳に蓄積されるデンプンが主成分ですが、胚にはタンパク質が多量に含まれております。一方、ダイズなどの種子では、タンパク質が多いです。以上は、予備説明です。

ご質問に簡単にお答えすると、アミロース、アミロペクチン、タンパク質は光合成に由来する最終産物(貯蔵物質)ですので、それらの量を、大局的に、“光合成量”と表現することがあるかも知れません。しかし、最終産物の種類(組成)は植物の種類によって大きく異なっており、また、その量はその植物が光合成によって固定した二酸化炭素の量に比例するとは限りません。
ご質問の後半の部分に関しては、信頼できる「食品成分分析表」を見られることをお勧めします。コメの成分や食味は大変重要なことですので、詳しく調べられております。

佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
2008-06-11
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行


質問:ツユクサのでんぷん反応について 登録番号: 1644
2008-06-07
理科の指導書では,ツユクサは光合成ででんぷんの生成を行わないことになっているのですが,実験するとでんぷん反応が現れます。

@ツユクサでは,光合成によるでんぷん生成が行われているのですか?
または,

A光合成によってでんぷんを生成するが,すぐに分解して糖にしてしまうのでしょうか?

お教えください。
教員
やむ
回答:
やむ さん

ご質問をお寄せ下さりありがとうございました。
今回のご質問には、植物のデンプンについて詳しい新潟大学の三ツ井先生から回答をいただきました。ご参考にして下さい。なお、明暗条件による違いや、他の植物と比較したときの反応の程度の違いなどにも気をつけて実験をしてみて下さい。

佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)

(三ツ井先生からの回答)

理科の指導書では光合成でデンプンの生成を行わないことになっているツユクサにデンプン反応が見られたとのこと、実際に実験で調べてみることの大切さが実感されますね。実験結果は、ツユクサの緑葉で確かにデンプン生成が起こっていることを示していると考えられます。

植物は光エネルギーを利用して炭酸同化を行います。最初、三炭糖という最も単純な糖ができ、その後、葉緑体内でデンプンが生成されるか、あるいは細胞質でショ糖が生成されます。葉緑体内で生成されたデンプンは必要に応じて、一般的には夜になると分解されて、ショ糖に変換されエネルギーや炭素骨格を必要とする組織や貯蔵組織(イネの穂など)に輸送されます。同化産物がデンプンの形をとって葉緑体内に堆積するような葉を澱粉葉といいます。一方、デンプンをほとんど生じず、ショ糖や単糖を蓄える葉もあり、この種の葉を糖葉といいます。岩波生物学辞典では、“デンプンのほとんど生じない葉(単子葉類)では・・・”と記載されています。ツユクサは単子葉類なので、貴方が見られている理科の指導書に“ツユクサは光合成でデンプンの生成を行わない”と書かれたのでしょう。しかし、単子葉類だからその葉でデンプンを生成しないということはありません。ただ、緑葉に蓄積するデンプン量の程度は植物種によって異なります。一般に単子葉類ではその蓄積量が少ないのは確かです。同じ植物体でも調べる組織、時期(若葉か老葉か)、昼夜や生育環境によってもデンプンの蓄積量は変わります。

これからも色々なデンプン反応実験を試みてください。新たな発見があるかもしれません。

三ツ井 敏明(新潟大学農学部応用生物化学科)
2008-06-12
新潟大学農学部応用生物化学科
三ツ井 敏明


質問:花の香りと天候の関係 登録番号: 1643
2008-06-07
おもにベランダで花を育てています。
花の香りと天候については、何らかの関係があるような気がしました。

たまたま雨の日の夜にベランダに出たら、ラベンダーの香りが、天気の良い昼間よりも強く感じました。気のせいなのでしょうか?

それとも、温度や湿度に影響されるのでしょうか?
一般
ラベンダー
回答:
ラベンダー 様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。

[回答] 
ラベンダーの花の香りが雨の夜によく香るのはいつもそうなのでしょうか。ご質問のようにたまたまの経験ならば次のようにも考えられます。

1)たまたま空気がきれいで、ほかの匂いが少なく、花の香りだけ際立った。
2)あなたの鼻の感覚が特に調子がよかった。
3)風がなく、香気が霧散しないで、高い濃度で空気中を漂っていた。
4)気分がとてもよかったので、花の香りも気のせいか際だって感じた。

花あるいは葉からの香りは揮発性の物質によるものです。物質の種類は植物によって様々ですが、同じ物質が成分になっている場合もあります。また、単一の化合物ではなく、複数の物質が混ざっているのがふつうです。ラベンダーの香気成分はリナロール、酢酸リナリル、ラバンジュロールなどが混じっています。これらの揮発性物質は花弁の基部、全体、おしべ、めしべなど、花の種類によって放散されるところも様々です。ある物体からの物質の蒸発はとうぜん、風、湿度、温度などの物理的条件に左右されますので、香りが強かったり、弱かったりするのは気象条件で異なることがあっても不思議ではありません。
ところで、花が香気を発散するのはなぜかご存じですか。もちろん人のためではありまん。香りは植物の生殖戦略の一手段です。香りは花粉を運んでくれる昆虫や動物(送粉者といいます)をひきつけるためのものです。したがって、送粉者がなんであるかによって、香りもちがいます。いや、香りが違えば送粉者も違います。ハエなどのように、いい香りではなく動物臭や腐敗臭に引き付けれるものもあります。送粉者の中には蛾などのように夜に活動するものがありますが、夜の送粉者を誘うには夜に香りを出す方が戦略としては効果的です。

勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
2008-06-11
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行


質問:植物と光の関係 登録番号: 1642
2008-06-06
私は今、家庭菜園に取り組んでいて、もっと早く、または立派に成長しないものかと思い、今回質問させていただきたいと思います。
植物の成長に太陽の光は欠かせないものですが、太陽の光の色を色付きセロファンなどで変えてしまうと、植物の成長に…例えば、葉が大きく育ったり、逆に萎れてしまうとかなど、何か影響が出るのでしょうか。
植物の成長に色は関係するのでしょか。また、植物にとって有効な光の色はあるのでしょうか。

拙い文ですみません。よろしくお願いします。
高校生
ラビ
回答:
ラビ さん

植物の成長に対し太陽光は、光合成と、成長を支配する光信号の二つに作用しています。植物は光合成によって、根から吸収した無機養分と水、さらに大気中の二酸化炭素(CO2)とから酸素を発生して、植物体を構成している全ての成分を合成しています。
 
太陽光はヒトの目に感ずることのできる可視光(波長400−700ナノメーター(nm))とこれより波長の短い紫外線と、波長の長い赤外線とから構成されています。太陽の可視光は波長が短い光から長い光の順に、紫、藍(アイ)、青、緑、黄,橙(だいだい)、赤色となっていますが、これが全体としてヒトの目に白色光として感じます。
 
光合成は葉の細胞の中にある葉緑体で進行しますが、葉緑体で光合成のために太陽光を受け取る色素はクロロフィールです。植物の葉が緑色に見えるのは、白色の太陽光を構成する7色のうち、クロロフィールが緑の色のみを吸収、利用できないためです。このため、太陽光(白色光)のうち、緑色以外の光がクロロフィールに吸収され、吸収されない緑色が葉から反射するため、植物の生育しているところが緑色に見えます。そのため、緑色を吸収するフィルターの下で植物を栽培しても、光合成の効率は余り低下しないはずです。

光合成によって植物の成長に必要な全ての成分が合成されますが、発芽、開花、茎の伸張、気孔の開閉、葉緑体の細胞内移動、光屈性のような植物の生活環、代謝に必要な信号にも光が関与しています。これにはフィとクロームが関与する赤―赤外光、クリプトクローム、フォトトロピンが関与する青―紫外光があります。光の関与する生活環制御で、一日の明、暗の割合による開花制御(長日植物、短日植物)がありますが、これは花の栽培で開花時期の制御に用いられています。

家庭菜園で光の色を調節して生育をよくする一般的な方法はありませんが、植物にできるだけ太陽光が当るよう、いろいろ工夫するのが、第一歩であるように思います。

浅田 浩二(JSPPサイエンスアドバイザー)
2008-08-07
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二


質問:カイワレダイコンの養分吸収について 登録番号: 1641
2008-06-06
農業をしております。カイワレダイコンを作っています。作っていて不思議に思うことがあったので質問させてください。発芽については本に載っているのですが、発芽後から本葉を出すまでについて調べれませんでした。知識がなく初歩的な質問で申し訳ありませんが教えていただきたいです。
@発芽には水、温度・必要・光等の条件が影響すると他の質問の回答に書いてありました。発芽に肥料(N.P.K等)は必要ないのでしょうか?
A井水だけで1週間ほど育ててみましたが葉の色が肥料を使用したものに比べて薄くなりました。他の回答に光合成を行い始める時期から肥料が必要であることが書いてありました。大根は発芽をしてからどれくらい経過した時点で肥料を必要とするのでしょうか?
会社員
チコゾウ
回答:
チコゾウ様

“みんなのひろば”へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡と申します。カイワレダイコンについて勉強したことがないので、きちんとしたお答えが出来ないかも知れませんが、一般的なことを書いて見ようと思います。発芽は種子が水を吸ったことで始まります。発芽は種子の中の細胞が水を吸ったことにより体積を増大させることで起きているのです。ですから発芽そのものには肥料は不要です。ですけれど、発芽した芽生えが生長するためには肥料が必要です。種子に貯えのある場合(貯蔵物質を持っている場合)、発芽後、しばらくは生長できますが、生長を続けることはできません。発芽直後の生長に最も有効なのは窒素肥料です。それは肥料の中で芽生えの生長に最も多量に使われるのが窒素だからです。チコゾウ様ご自身で経験なさっておられることですが、窒素が不足すると葉の緑が薄くなります。それは窒素が不足したためにクロロフィル合成が充分にできなかったからです。肥料は光合成を始める頃から、というより光合成を始めるための準備をする頃、すなわちクロロフル合成を始める頃から与えた方が良いと思います。私は現職のころアズキの芽生えを使って研究をしていました。アズキの種子は貯蔵物質を沢山持っていますが、それでもなお発芽時に与えた窒素肥料は芽生えの生長に有効でした。

柴岡 弘郎(JSPPサイエンスアドバイザー)
2008-06-11
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎


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