日本植物生理学会
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植物科学のトピックス
正解はD
「フィトクローム3」です。
 ホウライシダの中には、どんな光受容体があるか。先程はフィトクロームを一つ、フォトトロピンとクリプトクロームを説明しましたが、もう一つシダ特有のフィトクロームがある。構造を見ると、頭の部分は普通のフィトクロームと同じですが、尻尾の方はフォトトロピンと全く同じ構造をしている色素系があります。フィトクローム3と呼んでいます。フォトトロピンというのは光屈性とか葉緑体の運動の青い光で起こるための色素系です。ラップの突然変異は赤い光で誘導する葉緑体運動と光屈性がおかしくなったものです。即ちシロイロナズナではフォトトロピンを使って葉緑体運動と光屈性が制御されていますが、シダの場合には、この二つの現象は赤い光で誘導されている。フィトクローム3がその一つの原因ではないかということが考えられまして、フィトクロームをたくさんとって調べてみますと、どれもフィトクローム3という遺伝子が壊れているのがわかりました。そこでもっと確かめようと、突然変異になって遺伝子が壊れていますが、遺伝子治療をして元に戻れば遺伝子が壊れているのがわかるわけです。そこで僕たちはそういう実験をすることにしました。フィトクローム3の正常な遺伝子を細胞の中で働くように、ある遺伝子の構造をつくりまして、もう一つは、どこに遺伝子が入ったかわかるような、別なタンパク質を同時に細胞の中に入れてみます。無茶な話ですが、小さい金の粒子に遺伝子をまぶして、それを銃で撃ち込む。そうすると、この細胞だけ光っているのがわかります。光っているのが遺伝子が入った証拠です。この細胞がフィトクローム3の遺伝子が入ったものと判断できるわけです。ラップの突然変異に、この細胞に正常なフィトクローム3を入れたものです。赤い光で本当に動くように戻るかどうかを調べてみます。赤い光を一部に当てます。遺伝子投入した細胞は赤い光が葉緑体が動くように戻ってきました。突然変異の方は戻って来ませんが、青い光を当てると確かに動いてきます。突然変異は青い光では正常でしたが、赤い光では葉緑体が動かなかったのが、フィトクローム3の遺伝子を入れることで、確かに赤い光で動く、回復した。これにはフィトクローム3が関与していることがわかったわけです。

問10「シダは種子植物とは異なる目を持っています。何という目でしょうか?」。

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