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| 講演に対する質問と回答 |
| 柴岡先生への質問 |
| Q.「細胞の太さを制御している仕組みはわかりましたが、大きさを制御はどのようにしているのでしょう?」。
A.培養細胞はキリなく大きくなるものがいるんですね。そういう細胞一個にすると制御は効いていない。組織の中の大きさは決まっていますので、正確には言えませんが、周りから制御されているのではないかと思っています。 |
| Q.「タマネギが膨らむ時、微小管がなくなっていくのに、なぜジベレリン処理をしたら膨らまなくなるのですか?」。
A.膨らみだしたものにジベレリン処理してもだめなんです。ジベレリンを処理しておくと光が長くなっても膨らまない。いっぺん微小管がなくなったものにジベレリン処理をしてもだめです。よろしいでしょうか? |
| Q.「液胞の発達などにより微小管の方向が変わることはないのでしょうか?」。
A.液胞の発達によって微小管の方向が変わるという、そういう結果は出されていないと思います。 |
| Q.「タマネギとジャガイモの膨らむ話をされましたが、両方が一度にできる植物をつくることはできますか?」。
A.ジャガイモは茎の先端が膨らみ、タマネギは葉っぱの付け根が膨らむ。もともとの形が違うのでできないと思います。 |
| Q.「双子葉、単子葉も、木本は同じ仕組みなのでしょうか?」。
A.細胞伸長の方向制御に関しては同じだと思っています。タマネギは単子葉ですし、ジャガイモは双子葉ですが、木本を使ったのはあまりないですが、同じだと思っています。 |
| Q.「微小管の並び方とセルロースの並び方はなぜ同じ並び方になるのですか?」。
A.仮説があるだけで、はっきりわかっていません。どういう仮説か。微小管は細胞膜のすぐ内側にあるんですが、細胞膜と連絡していると電子顕微鏡の観察では見られています。微小管が走っている上は、ここに微小管がありますよというマークがついている。セルロースはセルロース合成酵素複合体というものがつくりながら膜の上を走っていきます。今ある仮説で一番それらしいのは微小管がある上をセルロース合成酵素複合体が横切れない。ガードレールが2本あって、その中で走るのだという仮説です。証明はちゃんとされていないのですが、状況証拠からそんなふうに考えられています。 |
| Q.「タマネギやジャガイモが膨らむことに何か適応的、植物自身に対する利益はあるのですか?」。
A.タマネギもジャガイモも無性生殖、次の世代をつくるためにつくっています。タマネギは地中海気候に生えているもので、夏になると生育が止まって球をつくって休眠する。過ごしにくい時期を過ごして季節がよくなると次の世代を球から伸ばす。ジャガイモは短日ですから秋にとれて冬の寒い時期を乗り越す、利益があると言えばそういうことではないかと思います。 |
| Q.「セルロースは大変丈夫と聞きましたが、食品に入っているセルロースは人の体内でちゃんと消化されて体内に蓄積されることはないのですか?」。
A.あまり消化されないと思います。お腹の中にいろんな生き物を飼っていればその生き物が消化するかもしれませんが、牛は消化しますね。我々はまず消化しない。 |
| Q.「根から生長点まで水が送られるメカニズムについて樹木では高さの制限はないのでしょうか?」。
A.水の輸送は少し前までは説得力のある仮説があって、木の上の方の葉っぱが太陽の光を受けて水を蒸散する。水を失うと失ったところに水が送られてくる。水はつながっているものですから下から上に行くのだという説がかなり有力だったんですが、それでは行かないのではないかということを最近言いだしているのがあります。はっきりは読めば読むほどわからなくなるというのか私の感想です。一応葉っぱから水が失われる。失われたところに水が入る。導管の中にひとつながりになっていて切れないので引っ張られていくというのが、ちょっと前までの教科書的な説明です。 |
| Q.「茎の強度について。茎の断面積に比例して高くなるか?」。
A.高くなったのが原因で太さを変えているということはなくて、ヘマして伸びると倒れているという方が近いように思っています。ただ風か当たるとエチレンの効果で伸びるのを犠牲にして太くするという制御はしているように思います。 |
| Q.「グミの花にジベレリン液をつけると実つきがよくなるのはなぜか?」。
A.いろいろ果物の生長は種が植物ホルモン、オーキシンとかジベレリンをつくって果実に送り出してそれが果実の生長を促しているといると言われます。グミはジベレリンをやると実つきがよくなるというのは、種から出てきて果実の生長を促すようなジベレリンを外からやるものですから大きくなる。種なしブドウは2回ジベレリン処理をします。1回目に処理して種をなくして、それだけだとブドウが大きくなりませんので、花が咲いた後もう一回ジベレリン処理をして実を大きくさせることをしていますが、それと同じような働きではないかと思います。 |
| Q.「細胞が縦方向に生長し、これに伴って茎が長くなる、自然現象は長年の経験からそのような形になっていることが多いと思うが、縦方向や細長くなるには利点は何か?」。
A.茎の一番の役目は葉っぱを支えることだと思います。なるべく葉っぱを光合成をしやすいところに持っていく。たとえば群落の中にいたりすると光が当たりませんから一生懸命伸ばします。多少弱くなるのを犠牲にして伸ばしていきます。そういう意味では縦方向に伸びるのは利点がありますが、伸びる利点の他に弱くなることがあります。光が十分当たっている時は縦に伸びなくていいわけですから、葉っぱを広げる。これにはどうもジベレリンが関係しているらしくて、葉に当たる光の量を強くするとジベレリンの量が減る。弱くすると増えるということがわかっています。紛れ込んで光が弱い時はジベレリンを一生懸命つくって、多少茎が弱くなっても上に伸びていく。十分光がある時はジベレリンの生産を減らして茎は伸ばさないで葉っぱを広げていくという制御をしていると思います。 |
| 和田先生への質問 |
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Q.「ホウライシダで字を書いた時、Tの字やYの字はどう書いたか?」。
A.単に伸ばしただけでは書けません。企業秘密ですが、そっと教えます。ここまでのばしてきてTの字は、光の方向を変えてLを、まず書きます。Lを書いた後、細胞を遠心して中の核をここまで持ってきます。その段階でこちらから光を当てますとTの字が書けます。ついでにEの字は、光の方向を変えてここまで行って、もう一回、核を遠心して、もう一度遠心してここまで持ってきて、ここだけに光を当てますとそちらの方向に向かって伸びてきます。枝分かれさせるのは遠心の技術がいりまして、難しいところですが、私がやればできると。僕の友だちでクラーク・ガガーリアスという人が僕が見せた字を使ってガガーリアスという字を書いてくれと。スペルでつくってくれ。Gがつくりにくくて、叶わんと思ったんですが、最も難しいはHなんです。まだつくれていません。枝分かれさせるところが3箇所やらないといけないので。あと2年、定年までにできるとは思えないですね。 |
| Q.「フィトクローム3を一般の植物に入れた時、光合成能力を上げることはできるのか?」。
A.これは大変いい質問でございまして、僕たちは今、フィトクローム3をシロイロナズナに入れて赤い光で光屈性が起こるかどうかという実験をしていますが、まだ結果は出ておりません。もしかすると行くようになるかもしれません。そうすると多少は光合成にプラスになることがあるかもしれませんが、はっきり役に立つようなことになるかわかりません。いずれにしてもシダのフィトクローム3が一般的な種子植物で働くかどうかは後、2、3週間すると結果がでるかもしれません。今はここではお答えできません。 |
| Q.「植物は光を受けやすいように動きがあることがわかったが、避ける動きがあるか?」。
A.葉緑体というだけではなく、茎そのもののようなことかと思いますが、ネガティブな光屈性はあるんでしたっけ? ありますよね。強すぎたりすると反対側に行くと思いますが、はっきり知りません。 |
| Q.「強い光を受けると葉緑体は細胞壁に移動しますが、細胞壁に移動した葉緑体はなぜダメージを受けないのか?」。
A.一つの細胞の中の表面から両側に行きますと、両側に並んだ時、上のものは確かに光を受けますが、その下は影になって、最初のものがダメージを受けて、その下にいるわけです。トータルとするとかなり葉っぱの中の葉緑体全体とするとダメージを受けるのが少ないということです。もう一つの解釈は細胞の表面が膨らんでいるような時があります。セプタムの間が膨らんでレンズ状になっていますと、上から来た光はそこで斜めに入る。両側の細胞壁のところは光が影になるように、水の中にいる時は別ですが、空気中から光が細胞の中の水の中に入った時、屈折率の関係で、セプタムのところは避けるようになります。そういう意味である程度、上のものが光を受けて死んで、その下で日陰になっているからというだけではなく、もうちょっと積極的に光を交わす方法になっていると思います。 |
| Q.「植物の目がわかりましたが、なぜ茎や葉緑体が動くのかがわかりません」。
A.なぜ動くか。質問の意味は、方法、手段なのか、それでどういうメリットがあるかということかもしれませんが。メリットがあるかということは、葉緑体が動いて太陽の光をなるべく受けられるように、それを避けられるようにということですが、メカニズムに関しては葉緑体が動くメカニズム、葉緑体がどうやって細胞の中を動くかということは僕たちが一生懸命調べていますが、あまりよくわかっていません。動くのにアクチンとミオシンが作用して、僕たちの筋肉で体を動かすのと同じようなシステムで動いていると思われるのですが、そこから先の細かいことはわかりません。それも我々もあと2、3年するとわかるのではないかと思っています。はっきりした回答はございません。 |
| Q.「植物はなぜ青と赤の光を見分ける必要があるのでしょうか。見分けることによってどういう利点があるか。植物は赤色光と青色光を区別して認識することはどういう意味があるか。種子が赤と遠赤色で発芽したりしなかったりするのはどういう意味があるか?」。
A.植物が赤い光と青い光を区別することは、赤い光と青い光を使っているということは、重要な意味がありまして、光合成をする時にはクロロフィルという光合成のための色素系があります。それの最も光の吸収しやすい部分は青い領域と赤い領域です。赤い光と青い光がどのくらいあるかをフィトクロームとフォトトロピンで彼らは認識して使っているわけです。植物は緑色のところはほとんど役に立っていませんので、その部分の光があっても光合成には役に立たない。むしろ青い光と赤い光が重要だということで多分、色素系は青い光と赤い光をうまく認識しているのではないかと僕は思っています。 |
| Q.「花が光の方向に伸びるのはなぜですか?」。
A.パンジー、柴岡先生が専門のヒマワリなどは全部光の方向からみる。裏側からみると裏を向いているわけです。それは理由はなぜだかわかりませんが、合目的的に言いますと、光の方向に向いている方が虫などが飛んでくるのが目立つからだと思いますが、花に聞いてください。 |
| Q.「目があるのはわかったが、耳があるのか。鼻があるのか?」。
A.耳は目という意味と同じとすればあると思っていいと思います。植物は振動をものすごく感じる場合があります。ミゾハギという豆科の植物は大きな葉っぱがあって、その脇に小さい突起のような小葉があります。それを光を当てると動いたりしますが、光だけでなく、振動させると動きます。明らかに彼らは葉っぱに伝わる振動を受けて小さい葉っぱを回転させる。そういう意味では耳を振動を受けることと考えれば、植物は耳もあると思います。鼻はあるんですか? いろんな化学物質に対して反応しますので、そういう意味でも鼻もございます。残念ながら僕たらが見た時にどれが鼻でどれが耳かわからない。目もはっきりは言いませんでしたが、どこにでもあります。不思議なことに根の方にもあるんですね。明るいところだけで必要なのではなく、暗いところでも目として働いているものはあります。それは一つには、茎の上の方で光が入りますと、細胞壁の中はグラスファイバーのようになって中まで入っていく。地中に根っこまで光が通ることになっていますので、表面だけ当たったところだけが光を感じているのではなく、根の方にも光は行っているということです。 |
| Q.「青い光と赤い光で光合成能力はどっちが高いか?」。
A.どなたか専門の方に。どっちが効率がいいですか? 赤と青と光合成効率で。両方あると上がるでしょうが、どっちがだけでも光合成はできますよね。エフィシェンシーはどっちが高いですか? どなたか光合成の専門の方。僕は似たような効率かと思いますが、わかりません。 |
| 名前に関して質問があるんですが、柴岡先生にお任せします。 Q.柴岡「植物の名前はカタカナで表示されるものと聞いています。エンドウマメ、漢字におきかえると緑豆豆になりますが、それでよいのですか?」。 A.エンドウマメと言わなくて植物はエンドウでお終いです。漢字では豌豆豆で、緑豆とは違う植物だと私は思っています。 |
| 佐藤 適切な回答をしていただき改めて感謝の拍手をお送りしたいと思います。今の質問の受け答えの中からもわかりますように、まだまだ植物科学はわからないところもたくさんあって、皆さんの関心が高まってもっと研究が進んでいけばいいかと思います。 |
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