日本植物生理学会
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植物科学のトピックス
1. はじめに
和田 ご紹介いただきました和田でございます。なるべくやさしく、なごやかに話を進めていきたいと思います。

「植物も回りを見ている。ほら、植物も昼夜を区別しているよ。」

 「植物の目。植物も周りを見ている」。佐藤先生からつけていただいたタイトルです。黄色コスモスという花の夜の写真です。今から30年前に私がフィリピンのパラワン島を旅をしている時、ホテルの脇に咲いていたコスモスでございます。最近では黄色コスモスは日本中にあちこちありますけども、30年前はあまり見かけなかったんです。いかにも枯れていると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは夜になって頭を下げて寝ているような状況です。翌朝になりますと花を上に上げて普通に開いております。夏になりますと、この近辺にもあると思いますので、ごらんになるとこういう状況が見られると思います。面白いことに、ここにあるのは比較的若いものですが、若いものはあまり寝ないんですね。年をとるとよく寝る。人間も同じかもしれません。黄色コスモスだけではありませんで、キャンパスに大ブタクサという帰化植物がありますが、これも昼間は花の房のところが真っ直ぐ立っておりますが、夜になるとその先端が寝ている。若い時には低いところから寝る。花が年をとるにしたがって先の方しか曲がらなくなります。

 花だけではなく、葉っぱも夜になると眠りまして、夜と昼間のシロザというものです。同じ個体を写真を撮っています。これは葛ですが、同じ個体です。夜は葉が下がってきています。同じような葉の形をしていますが、左はシロツメクサ、クローバーです。右側はカタバミです。クローバーは夜になると両側から葉っぱが小葉が近づいてきて、1枚が上から被さってくる。カタバミは全体が下がってくる。余談ですが、家の庭を時々整備にくる植木屋さんは「お宅の庭にはクローバーがたくさんある」と。クローバーは一つもありませんで、皆、カタバミなんです。植木屋さんに「カタバミだ」と言おうかと思うんですが、プロの人があまりにもはっきり「クローバーだ」というのでそのままにしています。月見草ですが、夜になると咲くものもございます。カラスウリ。なかなか風情のあるもので、夏の夕方になりますと花が咲いてまいります。もちろん朝になると咲くものもありまして、ポーチュラッカ、松葉牡丹に近いものです。朝顔も朝になると咲いて、昼間になると閉じてしまう。植物は昼と夜を区別して知っているということですね。

 
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