| 柴岡 紹介していただきました柴岡でございます。まずこの写真の説明からいたしたいと思います。淀川の高槻のそばに「鵜殿の葦」という昔から保存されているところですが、この後ろに2、3メートルの大きな葦が生えています。水害から守るために淀川を掘ったんですね。そのために水位が下がって葦が危ないということで、私の元の仲間が国土交通省にかけあって、水を揚げて保存されています。環境保存は昔は大変だったようですが、最近は、保存しようという動きが活発になって、この葦も潰れずにすみそうです。前に咲いているのは西洋カラシナで、葦を見に行った時の写真です。
今日は「茎はなぜ細長いか?」ということでお話をさせていただきます。私の何十年来のテーマです。「どんな研究をしているんですか?」と言われると「茎はなぜ細長いかということについて研究しています」と言っています。そういうことを言うと、不思議な顔をされるんですが。現役の頃、飯沢匡さんという劇作家の方が大阪大学に訪ねてくださいました。「ヤン坊、ニン坊、トン坊」とか「ブーフーウー」の作家ですが、その方が大阪大学に来られまして「どんな研究をしているんですか?」と聞かれましたので「茎はなぜ細長いかということについて研究しています」と答えました。対談があって、その内容はある新聞に載ったんですが、その後、それがまとまって本になっています。『飯沢匡の物好き科学訪問』。対談の後、飯沢先生の感想が書いてあります。
「もしそれが突き止められても、何の役に立つものでもないということさえあった」。飯沢先生は役に立たないと思ったのに違いないと思いますが、「それが学問というものなのである。そこが人間の営為と違うところなのであろう。私は少しく哲学的になって、先生のもとを去った」。要するに呆れ返ってものが言えなくなったということを、こういうふうに表現したのではないかと思うんです。今日は飯沢先生にお話したのとほぼ同じ話で「茎はなぜ細長いか?」という話をするんですが、どうぞ皆さん哲学的にならないようにお願いしたいと思います。
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