2004 Vol.45-1

Plant & Cell Physiology
2004 Vol.45-1
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 植物の成長や花成は、栄養条件や温度、光強度などの環境条件に強く影響を受ける。こうした影響は農業や園芸上の問題として頻繁に取り上げられるが、そのメカニズムについての情報はほとんどない。この号で、Ogawa ら (pp.1-8) はシロイヌナズナの変異体を用いて花成が光強度に強く影響を受けるメカニズムを示している。光合成のための光補足が異常なクロロフィルb 欠損変異体ch1-1 では、遍在性トリペプチドであるグルタチオンの合成が抑制されており、その抑制は光合成に伴うATP合成が制限されることに起因することを著者らは見出した。ch1-1 変異体ではシステインが蓄積し、成長が抑制されて花成が遅延する (左) が、その表現型はグルタチオンの投与によって回復した (右)。つまり、グルタチオンは成長および花成の制御因子であり、その合成はATPに依存したシステインとグルタミン酸の結合反応で制御され、必要なATP合成は光合成と共役しているのである。さらに著者らは、グルタチオンが関わる花成の促進経路の下流に光合成を介する花成の抑制経路も存在することを見出した。このような発見をもとに、著者らは表紙に示しているような花成統御機構を提唱している。