日本植物生理学会
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液胞膜を立体的に見る
 成熟した植物の細胞内の大部分は液胞で占められています。液胞の中には花の色の元になるアントシアニンや無機塩類、種子の液胞には貯蔵たんぱく質などが蓄積しています。今日まで液胞は風船状の単純な構造をしていると考えられていました。私たちは液胞の構造を詳細に調べるために液胞にあるAtVam3というたんぱく質にGFPという緑色の蛍光を発するたんぱく質をつなげたものを植物体に人工的に発現させて調べました。GFPとAtVam3の融合たんぱく質は、植物細胞の中で発現したあと液胞膜に局在し、液胞膜を生きたまま、緑色の蛍光で染色することが出来ます。私たちは、その後共焦点レーザー顕微鏡という特殊な顕微鏡により液胞膜像を観察し、更にコンピューター処理をして液胞膜の立体構造を構築しました(図1、図2)。これにより液胞膜の構造は今まで考えられていたよりはるかに複雑で、内部に入り組んだ構造であることがわかりました。

 

図1:シロイヌナズナのロゼット葉の孔辺細胞の液胞の三次元画像 図1:シロイヌナズナのロゼット葉の孔辺細胞の液胞の三次元画像

緑色が液胞、
赤い蛍光は葉緑体の自家蛍光

 
図2:胚軸の細胞のプロトプラストを作製し、GFP-AtVam3融合たんぱく質の蛍光で液胞の3次元画像を構築した画像 胚軸の細胞のプロトプラストを作製し、GFP-AtVam3融合たんぱく質の蛍光で液胞の3次元画像を構築した画像
 
資料提供:京都大学 総合人間学部
佐藤雅彦・植村知博
Copyright (C) 2003 The Japanese Society of Plant Physiologists