櫻井 細胞壁の硬さは調節できます。硬くしたり軟らかくしたりすることによって成長をコントロールすることもできます。このように細胞壁はいろんな役に立っていますが、果物は食べ頃になって軟らかくなる時には細胞壁が軟らかくなっていることが知られています。それを私たちは今まで計ってきたわけです。細胞壁の硬さを支配しているものは酵素と呼ばれるものです (図19)。ペプチンなど分解する酵素。これらは細胞壁に細胞の中から送りこまれて分解してしまいます。そうすると細胞壁内で埋めている分子がきれぎれになって細胞壁が軟らかくなるわけです。しかし本当に果物を軟らかくしているのは何か。それはエチレンです。エチレンという植物ホルモンをかけると、それによって細胞壁を分解する遺伝子が活発に発現してきます。その遺伝子によって細胞壁の分解酵素ができて細胞の中から細胞膜を突っ切って細胞壁に分泌され、それが細胞壁を分解して果物を柔らかくしています。 以上で私の講演を終わります。ありがとうございました。