櫻井 非破壊で、1つの果物をずっと壊さずに計っていくことによって新しいことがわかりました。キウイを1個ずつ計ると予想外のことがわかりました。キウイを収穫直後に計ってみます (図11)。横軸は室温においてからの日数です。最初はすぐに下がりますが、少し遅れてもう1度下がる。どうも第1番目の軟化と、第2番目の軟化がキウイにはあることがわかりました。今まで1個ずつ潰して計っていたら、こういうことがわからなかった。でも1個ずっと追いかけて計ることで、1個ずつばらばらに軟化していくことがわかりました。緑の線は食べ頃の硬さです。収穫直後から室温に置いたものでは食べ頃の日数がバラバラです。キウイを収穫後1ヵ月、1℃で保存したものを室温に持ってくると、すべて4日目か5日目に食べ頃が生じます。つまりキウイを収穫してすぐ市場に出荷すると、食べ頃がバラバラで皆さん不満があります。熟れすぎているか酸っぱいか、硬い。低温で保存して出荷するとおいしい時期が予測できることがわかります。たとえば出荷する前に硬さを計っておいて明日食べられる、明後日食べられるというシールを貼ることもできます。
現場の方から畑で計れる装置がほしいという要望が来ました。何のために? 果物の硬さから穫れ頃を知る、果物の生育状況を知りたいのだそうです。畑で使える携帯型の装置をつくりました (図12)。こういう形をしています。重さの代わりに直径を使って硬さを計ります。これは温室内のメロンの熟度の分布です (図13)。6~7月まで毎日計りました。そうすると、表の青いのは硬い。黄色と緑は軟らかい。1つの温室の中でも硬いところと軟らかいところと、バラバラなんですね。メロンを左手の北側から摘み取るとよいことがこのデータからわかるわけです。
もう一つ驚いたことは、1日の間にメロンの硬さが大きく変わっていることがわかりました (図14)。朝6時に計った時には硬いのが昼の3時になるとものすごく軟らかくなった。また晩になると元へ戻ります。もちろん温度が上がったり下がったりするのですが、なぜそんなにメロンが昼間に軟らかくなるのか。おそらく昼間、盛んに水蒸気が蒸散している。そうすると土から水の供給が追いつきませんから、おそらくメロンの中の水分が使われていく。そうすると果実が軟らかくなりますが、夜になると蒸散が起こりませんから土から水が供給されて行き渡ると、また再び硬くなることを繰り返すのだろうと思われます (図15)。