櫻井 最初に私の履歴をご紹介します。1950年に大阪府河内市鴻池新田で生まれました。ここには江戸時代の豪商鴻池善右衛門という人のお屋敷があって、私はそのお屋敷の中ではなく外で生まれました。小さい時にバイオリンを習っていて、なかなか練習しなくて泣きながら練習していたことを覚えています。でもこれが後に私の研究に何らかの影響を及ぼすようになりました。高校2年生の時にギターを買ってもらいました。1969年、大学に入り、物理学科を受けたのですが、受かってみたら生物学科と書いてあったのです。他人だと思っていたら自分だったわけで、まあ、いいかと思って、浪人するのもいやだったので、そのまま生物学科に入ったのです。1972年、3年生の時、研究室を選ぶ際に植物の細胞壁の物理的性質、細胞壁の硬さを計っている研究室がございました。その計り方に興味を持って吸い寄せられるように入ってしまいました。細胞壁の研究をした後、広島大学に行き、10年後にカリフォルニア大学デービス分校に留学しました。1年間の留学の間に、トマトの硬さを計ってほしいという依頼があり、その研究がきっかけで今日、お話をするような果実の食べ頃を判定する技術の開発に結びつきました。2005年、果物を振動させて成熟度を計る会社を立ち上げて社長になっております。