松岡 それでは問題のタネの数はどうなったでしょうか。背丈を低くするSD1 を入れたイネは、生長が押さえられたため、もとのコシヒカリよりタネの数が減少します (図30)。Gn1 とSD1 を入れた 「ここだけハバタキ」 は210粒程度とGn1 単独よりやはりタネの数は低下しますが、もとのコシヒカリよりも40粒以上約30%収量が増加しました。それでいて、背丈は低く抑えられているので、もとのコシヒカリよりも遙かに倒れにくくなっています。このように、私たちにとって都合の良い遺伝子をつまみ食いして、優秀な品種に集積する育種方法を私たちは、石を一つ一つ積み上げて大きな建造物に作り上げたピラミッドになぞらえて、遺伝子ピラミディングと呼んでいます。私たちの作った収量が多くて倒れないイネは、生物の分野だけでなく、国内の一般マスコミや海外のメディアからも注目されて大きく取り上げられました。これは、その一例で、読売新聞のコラムの記事です (図31)。