松岡 この様な状況の下、我々はイネの収量を増加出来ないか、という取り組みを行っています。今日は、その一端を紹介しようと思います。このスライドの左の写真は皆さんもよくご存じのコシヒカリです (図4)。そして、右の写真は、きょうの私の話の主役であるハバタキというイネです。このハバタキの特徴は、この穂に見られる非常に多い収量と低い背丈にあります。
多い収量をわかりやすくお見せするために、穂の写真を示しました (図5)。左がコシヒカリで、一つの穂 (これを一穂と言いますが) にだいたい150粒ほどのタネを付けます。一方のハバタキは一穂で約300粒とコシヒカリの2倍程度のタネを付けます。
ここで、私たちの疑問は非常に単純なものでした。それは、同じイネなのに、何故ハバタキの穂にはコシヒカリの2倍のタネがつくか、と言うものでした (図6)。これに対する答えは、ハバタキにはコシヒカリにはないタネを増やす遺伝子、収量増加遺伝子があるのではないかと言うものです。もしこれが本当だとすると、ハバタキから収量増加遺伝子を取り出してきて、それをうまく利用すれば、コシヒカリの収量を2倍に増やすことができるかもしれないと期待出来ます。本当にそんなことができるのか、私たちはそれにトライすることにしました。