4.ヒメツリガネゴケ

長谷部 このコケについてご紹介しようと思います。ヒメツリガネゴケというややこしい名前のコケです。大概、覚えてくれませんね。君のそれ、何だったっけ、ヒカリゴケとか…。コケで結構です。ヒメツリガネゴケ、日本にもそれに似た種類があってニセツリガネゴケと言います。どういうところに生えているか。どこか。ため池は冬になると水がいらないので干からびさせる。そうするとひび割れて、そういうところに生えてくる。ここの小さい緑の一つひとつがコケです。こういうところに生えるコケです。これを実験に使うんですが、土をそのままとっていってもカビが生えてきますから、まず無菌状態にして、よく滅菌してやってカビ、バクテリアを取り除いて一定の条件で培養する (図4)。生物の実験をするには培養が大事なんですね。きちんとした条件、一定の条件で実験しないといろんなことが起こります。自由研究をやる時も条件を整えるのが大事です。この場合は1ミリくらいのコケですから寒天を入れたシャーレに入れて、あとはガラス箱で蛍光灯がついているだけです。エアコンとガラス箱と蛍光灯、単純な機械ですが、なんでこれが100万円もするのかちょっと不思議でしょう。単純な機械で培養する。

ちょっと実験の手順をお話します。今、培養がうまくいって生物の実験をする時には生物のいろんな働き、再生のメカニズムを調べたい。その時、生物は遺伝子を設計図で持っている。遺伝子で形がつくられる。遺伝子を変えてやることによってどういうことが起こるかという研究を進めていきます。実験材料としては遺伝子を変えることが簡単にできないといけないわけです。テレビのニュースでも遺伝子工学、組換えDNAとか組換え形質転換植物とかあります。ああいうのがどういうふうにできるのか。それをちょっと簡単にご紹介しよう思います (図5)。

実は簡単なんですね、コケの場合、シャーレで培養してやる。液体と混ぜてやる。ドリセラーゼという酵素です。その酵素と混ぜてやると溶ける。全部溶けるとマズいんですが、植物は周りに細胞壁があります。それを溶かしてやると動物の細胞と同じように丸くなります。壁があると遺伝子が入りにくいから壁を溶かしてやる。完全に壊しちゃうわけではない。それをプロトプラストと言います。目のいい人は見えるかな、粒々があるんですが、あとはこれと媚薬はポリエチレングリコールという薬ですが、これとDNA遺伝子の化学物質を試験管の中で混ぜてやる。これがミソですが、これを見つけるのに何年か、かかるわけですが、45℃に置いてやる。そうするとDNAが細胞の中に入るんですね。そして後、25℃に一晩おいて、家に帰ってゆっくり休んで次の日にシャーレに蒔いてやる。そうすると遺伝子が組み換わった植物が生えてくる (図6)。

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