長谷部 この研究所は30くらい研究室があって300人くらいの小さな所帯で大学の共同利用機関なので、魚とか植物を育てる場所があったり、人を集めて会議をするところがあったり、海外の人も来ますから泊まれるような設備があったり、子どもさんのための保育園もあったりするわけです。この研究所の単位は研究室です。研究室のメンバーで、皆、にっこり笑って、それなりに楽しい日々を送っています。これくらいのメンバーで、どういう構成になっているか。ボスがいます。教授です。中ボスが准教授、助教、昔は助教授、助手とか言っていたんですが。中ボスの下に博士研究員、ポストドクターがいる。大学を4年終わった後、まだ5年間研究をする。もっと長い人もいるかな。博士になります。学位をとります。博士をとった後、博士研究員として研究を積んだ後、助教や准教授になっていくわけです。博士研究員の下に大学院生がいて、技術研究を支援してくれるサポートの人たち、専門の技術職員やパートタイムで研究を支えてくれる人たちがいます。こういう構造で研究室が運営されています。中小企業のようなもので教授は中小企業の社長と考えていただければいいと思います。
僕がどんな生活を送っているか (図2)。今の生活と大学院生の時の生活です。今、小学生が3人おりまして、夜、早く帰って朝4時くらいに起きて、メールをチェックして学校に行きます。研究者の仕事として大事なことは論文を書く。A君の論文の添削をして。新しい情報も仕入れないといけません。ご飯を食べる。研究にはお金がかかりますから申請書を書いたり、実験の計画を立てるのも大事。入れ代わりたちかわりいろんな人が僕の部屋に来ます。僕の一番のお友だちはコンピュータのモニターで、いつもそれとにらめっこしています。お昼ご飯を食べながら事務の仕事をしたり、皆とミーティングをしたり、研究員や大学員生が来て打ち合わせする。1人で楽しく実験したり。いろんな他の研究所、大学から研究をしている人が講演をしにきてくれたりするので、そういう話を聴いたり、我々共同利用機関ですから共同研究について他の大学とする打ち合わせをしたり、研究会をつくる企画をしたり、いろいろな論文をまとめたり。そういう生活をして1日が終わるわけです。
学部の学生の時、実習で先生に言われたことで、今でも身についていることがあります。その先生は面白い先生で 「研究者は24時間研究をしていなければいけない。学校に来て研究計画を立てているようでは立派な研究者ではないから、君たちは家に帰って、寝ている間にそれをやりなさい」 と言われまして。実際、家にかえって頭の中で実験のプランを寝ながら考えていると次の日に実際にそれができたり。よくありますよね、スポーツ選手が棒高跳びをする前にタオルを被って運動場で寝ながらイメージトレーニングをする。あんなものをするわけです。これがボスの先生。大学院生は実験をやることが多いですね。学校に来てほとんど実験をして論文を読む。書くのも大事。これが研究者の生活というものです。