森田 百聞は一見にしかずと言いますけど、見えてきた像から新しいことが分かりました。同時にどんどん新しい疑問がわいてきます。こんなにアミロプラストが動き回っていて、必ずしも昔から考えられていたように石のように沈んでいるわけではありませんでした。どんな動きが本当は重力感受に必要なのか? 液胞がアミロプラストの動きに関わっているのだとしたら、液胞とアミロプラストはどんなふうにつながっているのか? アミロプラストの動きを制御しているものは液胞以外にも何かあるのか? そういうことを、より詳しく調べていきたい。さらに今日お話ししたように、重力の感受は茎の円柱状の組織で起こるわけですが、この円柱状の組織で起こった後に、茎の偏差成長にまで至るわけです。ところがこの間はほとんどわかっていない。これを何とか調べていきたいということで、まだまだ新たな疑問が出てくるわけです。
最初にお話しましたように、重力屈性の研究はかなり昔から行われていますけど、現代生物学の言葉、分子の言葉では説明されるには、まだまだ遠い状況です。私たちは今、今日ご紹介したような手法で一つひとつ疑問を解いていき、また新たに出てきた疑問に対峙していくことで、現代生物学の言葉で説明していきたいと思っています。
最後に謝辞ですが、今日、お目にかけましたシロイヌナズナ以外の植物の運動のムービーは、アメリカのインディアナ大学ロジャー・ハンガータ博士の御好意で皆さんにご紹介させていただきました。どうもご清聴ありがとうございました。
司会 森田さん、どうもありがとうございました。動かないと思われている植物が、ダイナミックに動いている姿をごらんいただけたと思います。何が起きるか見てみたい、地道な研究の積み重ねだということがわかります。見るためには装置を開発するとかどんどん好奇心を満たしていかれる様子をお話していただきました。こういう活動を日頃、研究をしていることがおわかりかと思います。