4.植物の屈性

森田 私たちが研究対象にしています重力屈性は、重力という外的な要因によって引き起こされ、成長によって駆動される、屈性という運動であると考えることができます。それでは、重力屈性とは何か。屈性というものは刺激の方向に応答して反応の方向が変わります。これを引き起こす要因にはさまざまなものがあります。光、接触、水分、重力などです。こういうものに対してどっちに向いて伸びていくかですが、大体、自然環境の中では、どれか一個だけが変わるとか、どれか一個だけが、ある、ないというものではないですね。光の状況は常に変わっていきます。光が当たっている、当たっていないにかかわらず、虫が来たりもします。また重力は無くなることがない。地球上にいる限り、重力だけは常にかかっているわけです。こんな風にいろんな刺激を同時に受けながら最終的な生長の方向を決めていくわけです。

トウモロコシの芽生えたばかりの、子葉鞘の光屈性と重力屈性をちょっと考えましょう。まずは最初、全く光がないところで芽生えさせますと、白いモヤシのような子葉鞘が真っ直ぐ上に向いていきます。この状態で、真ん中に豆電球をおいてやると、真上に向いていた子葉鞘は一斉に光に向かって伸びていきます。ここで豆電球を消して、周り全体を明るくします。そうなるともう、真ん中に向くことはやめ、まっすぐ上に向き直します。つまり、暗いところで芽生えた時は重力の方向だけがそこに刺激としてある。真っ直ぐに上に向いていく。豆電球が点いた時はほしい光があったじゃないかと皆が光に向かっていく光屈性をします。この時は重力屈性に打ち勝って光の方向に向かいます。さらに豆電球を切って全体を明るくした時はどうなるか。光はあえて求めなくてよくなった。その時は重力の方向で上に伸びていった方が有利ではないかとういうことで、おそらくこういう運動をやっているのでしょう。さまざまな環境の刺激を統合した形で、自分の成長する方向を決めるという運動をしています。

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