森田 植物の運動ってどういうものでしょうか? 植物の運動は3つの角度から分けていくことができます。まず運動を引き起こす要因ですが、これには一つには内的なもの、植物自身の何か事情によるものがあります。先ほどのヒマワリの転頭などは主に内的な要因によって起こると考えられています。もう一つは外的な要因です。環境の変化、光とか接触とか何かのストレスとか、外的な要因で起こるものがあります。まずこういう分類ができます。
次に、もう一つの角度、運動の駆動力から見てみます。植物は筋肉を持っていませんが、いったいどういう力で動いているのか。それを分類してみますと 「膨圧」 と 「成長」 とに分けられます。まず 「膨圧」 です。たとえば茎の節のようなところの細胞の膨らみ具合ですが、細胞がパンパンに膨らんでいる状態から、片側の細胞が萎んでしまうとカクッと曲がる。このような膨圧による運動というのは、比較的速い反応ではないかと言われています。もう一つは 「成長」 によるものがあります。細胞が分裂して増えたり、細胞の一つひとつが伸びたりという仕組みで起こるものです。これは比較的遅い反応と考えられていて、たとえば私たちか研究している屈性という反応は、成長によります。ある器官で考えてみると、器官の内部でこちら側とこちら側で成長の速度が違う状況が生じた時、この器官が曲がるということになるわけです。曲がった結果、植物の体が動くということになります。
もう一つ分類の仕方があります。刺激と運動の方向性の関係です。「傾性」 と 「屈性」 に分けられます。「傾性」 は刺激の方向にかかわらず反応の方向が一定です。何かの刺激がこっちからやってきても、あっちからやってきても、同じ反応をします。次に 「屈性」 ですが、これは刺激の方向に応じて反応の方向が変わるものです。こちらから刺激が来ると、こっちに向く。あちらから刺激が来たら、あっちにいくというように、刺激が来た方向に応じて、応答して反応の方向が変わるというものです。このように、植物の動き方は3つの角度から考えていくことができます。たとえば、最初にお話ししたオジギソウの運動は、接触や熱などの外的な要因によって引き起こされ、膨圧の変化によって駆動される、傾性という運動である、と言えます。